血友病
血友病とは、血を止めるプロセスがうまく働かないために血が止まるまで時間がかかってしまう病気です。怪我の後に血が止まりにくかったり、青あざができやすかったりするのが特徴です。現在は治療法も進歩しており、適切な管理で多くの患者さんが元気に日常生活を送っています。当院では、久留米大学病院小児科と連携した血友病診療を行っています。まずはご相談ください。

このような症状がありましたらご相談ください

  • 鼻血が止まらない
  • 歯科治療のあと血が止まらない
  • 片足だけ動きがわるい、腫れる
  • 急にあざが増える
  • 関節の変形や痛み
  • 打撲後にけいれんの症状がある

血液の循環と出血の始まりについて

私たちの体の中では、心臓がポンプのような役割を果たし、血液を絶えず送り出しています。血液は動脈、静脈、そして非常に細い毛細血管という血管を通って全身を巡っています。
怪我などをして毛細血管が傷つき、そこから血液が外に漏れ出すことで「出血」が起こります。

血が止まるまでの流れ

体には、出血を止めるための素晴らしいチームワークが備わっています。大きく分けて3つのステップで血は止まります。
【止血のプロセス】
血管の収縮
血管が傷つくと、まずその血管自体がキュッと縮まり、血液の通り道を狭くして漏れ出す量を減らそうとします。
血小板の活躍
血液中にある「血小板」という細胞が集まってきて、傷ついた穴を一時的に塞ぎます(一次血栓)。
凝固因子の仕上げ
最後に、血液中の液体部分(血漿)にある「凝固因子」と呼ばれるタンパク質たちが協力し合い、一時的なフタの上に丈夫な網目状の膜(血餅)を作ります。これにより、出血が完全に止まります。

血友病とはどのような病気か

この止血プロセスの最後に活躍する「凝固因子」は全部で10種類以上あります。血友病は、その一部が生まれつき少なかったり、うまく働かなかったりする病気です。

止血に時間がかかる

凝固因子の働きが不十分なため、最後の「丈夫な網目」をうまく作ることができません。そのため、普通の人と比べて止血までに長い時間がかかってしまいます。

血友病の種類は2つに分けられる

血友病には、足りない凝固因子の種類によって、血友病AとBの2つのタイプに分けられます。
血友病Aは、第VIII因子が不足しており、血友病Bは、第IX因子が不足しています。

血友病の症状は重症度で違う

切り傷だけでなく、ぶつけた後に青あざができやすかったり、抜歯や怪我の後に血が止まりにくかったりします。また、重症度によっては、明らかな理由がないのに関節や筋肉の中で出血(内出血)が起こることもあります。

血友病の検査と治療

まずは症状やご家族の既往歴、体質などを問診にてお聞きし、血友病以外の疾患でないかの診断も含め、血液検査で凝固因子の働きに異常がないかを検査します。
「血小板数」「プロトロンビン時間(PT)」「活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)」の3つを測定し、APTTだけが正常よりも延長している(大幅に長い)場合に血友病が疑われます。血友病の疑いが強まった場合は、凝固因子がどの程度不足しているのかを正確に調べます。それにより血友病のタイプや重症度が判定されます。
当院では、血液検査を外注検査で行っていますが、血友病診療においては確定診断が非常に大切であるため、血友病が疑われた場合は、必ず大学病院にて詳しい検査を受けていただきます。重症度の高い患者さんは定期的な補充療法(足りない凝固因子を補う治療法)が必要となりますが、その治療の維持管理は大学病院と連携を取りながら、クリニックで行うことができます。軽症の場合は、補充療法は行わずに様子見を続けても、日常生活に支障がないこともあります。

まとめ

血友病は「血が全く止まらない」病気ではなく、「止まるまでに時間がかかる」病気です。現在は、補充療法が進歩しており、適切に管理することで、多くの患者さんが学校や職場などで活動的な生活を送ることが可能になっています。
血友病に次いで多い遺伝性出血性疾患として、フォン・ヴィレブランド病(VWD)という病気もあります。血友病が凝固因子の異常で起こるのに対してVWDは止血因子の異常で起こります。
当院では久留米大学病院小児科と連携し血友病・VWD診療を行います。お気軽にご相談ください。